輪橋山徒然話 2024-8-21 嘘ではないが、真実でもない情報の怖さ
「ジハイドロゲンモノオキサイドの使用を禁止せよ」
◆1997年、アイダホ州の中学生ネイサン・ゾナーは「ジハイドロゲンモノオキサイドの使用を禁止せよ」という嘆願書を作成し、その危険性を訴えて署名を集めました。
◆彼の主張は、次のようなものです。
「ジハイドロゲンモノオキサイド(DHMO)は、毎年多くの人々がこの物質により命を落としています。ほとんどの死因はDHMOの偶然の吸入に起因します。この物質は、無色、無臭、無味であり、ほぼすべての河川、湖、貯水池で見つかっています。世界中に汚染を広げています。しかし、アメリカ政府は、この危険な物質の製造や拡散を禁止することを拒んでおり、私たちは今すぐに行動しなければなりません。」
◆具体的なDHMOの危険性は次のとおりです。
重いやけどの原因になり得る。
地形の侵食を引き起こす。
多くの材料を腐食させ、さび付かせる。
電気事故の原因となり、自動車のブレーキの効果を低下させる。
末期がん患者の悪性腫瘍から検出される。
一定量が肺に入ると、ほぼ確実に死亡する。
一度体に取り入れると禁断症状が生じる。
3日間投与されなければ死亡する可能性が高い。
軍隊が戦争のために大量に備蓄している。
◆この嘆願書に、通行人50人のうち43人が署名したということです。
◆我が日本においてもDHMO=ジハイドロゲンモノオキサイドは水道水に多く含まれています。しかし、現在の水道水質基準にはこの物質の規制が含まれていません。そのため、工業用の溶媒や冷媒として使用されたDHMOは、河川にそのまま投棄されているのです。
◆あなたはどう思われますか。
◆この恐ろしい物質は「アレ」だと気が付かれた人もいるでしょう。実は「DHMO=ジハイドロゲンモノオキサイド=一酸化二水素」の正体は、実はただの「水」のことなのです。化学の基本である「酸化物」はO、「水素」はHです。つまり、「一酸化二水素」とは、「H₂O」なのです。
◆さて、この「ジハイドロゲンモノオキサイドの使用を禁止せよ」が教えてくれていることは何でしょうか。
◆新聞、テレビ、インターネット。私たちの周りには膨大な情報があふれています。その中には、真実もあれば嘘もあります。そして最も注意すべきなのは「嘘は言っていないが、真実でもない」情報です。このような情報は、私たちを巧みに誤解させる力を持っています。つまり、真実、嘘、そのどちらでもない情報があることを心得ておかねばならないのです。
◆ちなみに、科学者が難解な用語を駆使して、素人を煙に巻くことを「シングピッチンオン効果」と呼ぶそうです。
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