気がついた。「ドキュメント72時間」は現代版の奥の細道だ。人は皆、旅人なのだ。

冬の港町テレビ番組
冬の港町

「秋田 真冬の自動販売機の前で」(ドキュメント72時間)

月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。

                 うどん自動販売機動画

                 川べりの家 主題歌

「アナログの販売機」と行きかう人

◆やっぱり「秋田 真冬の自動販売機の前で」だった。「ドキュメント72時間」(NHK)の歴代BEST1だ。大人の番組である。

◆吹き荒れる吹雪。店の外に設置された「てんぷらうどん」の自動販売機が主役だ。

◆カップラーメンではない。既に調理された「うどん」が温められてでてくる仕組みだ。もちろんデジタルではない。アナログの販売機なのだ。

◆私が中学生の時には、学校の近くのグランド裏、食堂の前に設置されていたかと思う。この辺りは、高校も併設されており、大繁盛。校則違反の小さなうどんの自動販売機は、中坊の憧れの的だった。終に食べたことはなかったが…。

◆番組のうどん自販機は、ほぼ50年後の令和の時代、番組放送時は、秋田港で現役だった。(現在は休止)そこでは、お客がふきさらしの外で食べる。雪の中、吹雪でも訪れる人が何組もいた。お年寄りもいれば若者もいる。

◆そして、それぞれが、それぞれに、秋田のお国の訛りを少し混じえて、うどん自販機と思い出、人生をちょっと語る。彼らは皆「人生の旅人」なのである。

◆この自販機は現在撤去されているそうだが、休止が決まると何としても食べたいと全国からファンが駆けつけたという。

番組の矜持

◆「ドキュメント72時間」は、どの回もカメラを回すのは昼の12時から。丸3日間カメラを据え72時間の物語を繋いでいくのが番組のスタイルだ。「店」とか「イベント」とか「名所」で、行きかう人にマイクを向ける。その声を拾い、つなぐ。すると、旅人たちの人生が一瞬にして輝きをもつ。そこに感動と共感がある。

◆令和4年でレギュラー放送10年目を迎えたそうだ。

◆番組制作でルールは 「72時間で撮影終了」「時系列で編集する」「偶然の出会いで勝負」の三つを厳守することだ。ディレクターとカメラマン、音声担当の三人がチームを組み二チーム交代で取材を進める。大事にしているのは、「取材者の驚きや気づき感動を大事にし。視聴者にそれを追体験してもらえるよう心がけること」だそうだ。

◆視聴者は「会話」から引き出される、その人、その人の人生に共感するのだ。いつも思うのだが「やらせ」では視聴者の眼はごまかせない。

◆「その場所に」誰が、いつ、訪れるのか全くわからない。「その人が語りだす」一瞬に集中する。限られた場所、限られた時間でのまさに真剣勝負なのだ。そこに、番組制作者の矜持をみる。

「一期一会」と奥の細道

◆ベスト10以外で、印象的なのは、2020年1月17日「青森・下北半島 “ワケあり”横丁」2020年3月6日放送「小さな屋台カフェ 千夜一夜物語」。

◆二本とも雨や雪や冷たい風がバックにあったと思う。「寒いねぇ、あんた、東京からきたのかい、そうかい、ごくろうださまだねぇ」とそこに住む人が歩み寄ってくる。つまり、人が作り上げた人工のシュチュエーションだけではなく、自然の厳しさや暖かさ、ハプニング、その土地の風土とそこに暮らす人と番組制作者が一体となったとき、「一期一会」の奇跡の出会いが記録されるのだ。

◆「一期一会」とは、一生に一度限りの機会・出会いということである。「ドキュメント72時間」は、たとえば、「“ワケあり”横丁」「小さな屋台カフェ」を触媒にして、その時、その場所を行き交う人との「一期一会」の出会いの物語なのだ。

月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。

舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて老を迎ふる者は、

日々旅にして、旅をすみかとす。

◆そうか、「ドキュメント72時間」とは現代版の「奥の細道」なのだと思った

今日も深呼吸と合掌とオンニコニコで

◆深呼吸で「心のデトックス」。一度息を全て「大地に」吐き出します。次に胸を広げて鼻から息をたっぷり入れます。最後は「吐く息は細く長く」です。呼吸をコントロールし、呼吸に集中。自分の心にアプローチ。

◆「自分の根っこ」に感謝。ここに自分があること。お父様、お母様。あなたの隣にいる人とそのご縁。これから出会う新しいご縁。全てに合掌しましょう。

◆いつもニコニコ怒りません。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」は、自分もまわりも明るく・仲良く・イキイキと導くおまじない。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」。

 

 

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