「ニッチ」
花屋の店先に並んだ
いろんな花を見ていた
人それぞれ好みはあるけど
どれもみんなきれいだね
◆学校に勤めている頃だ。SMAPの「世界に一つだけの花」を同僚がクラスのテーマにしていきたいと歌ってくれたことがある。その時初めて聞いた。まだ、この曲が流行っていないころだ。また、アイドルグループの歌に強いメッセージ性はなかった。
◆私も初めて聞いた時は、どこがいいのか全くピンと来なかった。どうしてこの曲??
そのあと何度か聞くうちに次のフレーズが肝だと気がついた。
「No. 1」になれなくてもいい
もともと特別な「only one」
◆「世界で一つだけの花」は「only one」なのだ。
◆「only one」はこの曲以来一般化され、世の中に徐々に受け入れられて行く。
◆令和の今はより戦略的な生き方という意味も含めて「ニッチ」という言葉がある。
◆「ニッチ」は、「誰も実施していない物事、実施しようとする人がきわめて少ない物事、少数の支持しか得られない(得られそうにない)物事」をいう。
◆たとえば、ニッチ市場とは、特定のニーズを持つ規模の小さいマーケット、大企業がターゲットとしないマーケット、可能性は有るもののまだビジネスとして確立していないマーケットのことを指す。
◆つまり、「ニッチ」とは「隙間」のことでだ。この「隙間」は、植物の進化と合わせて考えるとわかりやすい。
◆「雑草すごいっ!」(稲垣栄太洋 小島よしお)を参考にしてまとめてみると次のようになる。
◆自然界はナンバー1をめぐる椅子取りゲームである。まり、椅子を取れないナンバー2は滅びるしかない。それでは、植物は一種類だけになる。しかし、実際は多種多様の植物がある。
◆それには理由がある。実はナンバー1になる方法は一つではないのだ。植物の場合はオンリー1の場所を手にすることである。
◆「ナンバー1にためのオンリー1」の場所は生物学ではニッチと呼ばれる。実際には隙間という意味ではない。なぜならニッチは大きくてもいいのだ。しかし大きいニッチではナンバー1になることが簡単ではない。
◆ナンバー1になり生き残るには条件を絞り込んだ方が良い。だから結果的にニッチは小さくなる。
◆多種多様な植物があるということは、言葉を変えるなら様々な生物が小さなニッチを分け合いながら暮らしているということだ。
◆だから、どれもみんなきれいなのだ。そう思うと全てが愛おしく、素晴らしく思えてくる。
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