「Z世代」に乾杯
「ドーハの歓喜」
◆朝からすごいニュースが飛び交った。ワールドカップ「ドーハの歓喜」である。その中心選手は東京オリンピック日本代表から昇格した「Z世代」だとか。
◆「(本田圭佑さんや大久保嘉人さんなど強烈当時の選手たちは)言いたいことを言う人が多かった。(略)鎌田大地にしても冨安健洋にしても久保建英にしても三笘薫にしても、みんな個性はある。ただ、それをどういうふうに表現するかというのは、“Z世代”じゃないですけど、変わってきている。意外に話すとすごい考えもしっかりしているし、思っていることもちゃんと伝えられるけれど…。」サッカー日本代表キャプテンの吉田選手は、“Z世代”にそのように語っている。
アルファベッドで世代が分類?
◆そういえば巷で「Z世代」という言葉をよく耳にする。
◆大正生まれとか、昭和生まれだとか世代を分ける用語がある。また、団塊の世代など日本の中心世代だ。年号などで世代を分類する方法ではなく、アルファベッドで世代が分類されている。
◆とりあえず、皆様、ご自分は何世代かご存知か。
「X世代」と「Y世代」とは
◆生まれが1961年から1984年は、「X世代」(Generation X)だ。この「X世代」は、次のように分かれている。「新人類」にはじまり→「バブル」→「団塊ジュニア」→「就職氷河期」までだ。私はちなみに「新人類」だ。◆我々「新人類」は、インベーダーゲームや大学入試における共通一次試験などに象徴される。また無気力的傾向があり「しらけ世代」とか言われた。「ネクラ」「ネアカ」ということばにもこのころからだ。
◆Z世代のすぐ上の代に当たる1981年(昭和56年)~1995年(平成7年)生まれの25歳~41歳までを「Y世代」と呼ぶ。Y世代は、アナログからデジタル化を若年で経験した「デジタルネイティブ世代」と言われており、ゆとり教育を受けていた世代だ。
「Z世代」
◆そして、今注目されているのは「Z世代」だ。
◆現在20代前半から10歳前後の年齢の人が該当する。(1990年代後半から2012年頃に生まれ)。日本では、少子高齢化で人口比に占める割合は低い「Z世代」は、実は世界の人口の25%をZ世代が占めている。消費行動も含め注目されている世代なのだ。
◆「Z世代」の特徴は、デジタルネイティブやスマホネイティブの世代でもあることだ。英語の発音が「ネイティブ」となれば、英語圏の正しい発音ができるということである。それと同じで、ソーシャルネイティブとは、我々とは違い、生まれた時から、デジタル社会に育ち、SNSやスマホに触れ、それを使いこなし、かつそれを通した発信力も全く違う。
◆一言でいうならば、私たちがドラえもんに出てきた製品と感動する世界からスタートしている世代なのだ。
「α世代」
◆さらに、Z世代のあとに続く世代を「α世代」という。これはアルファベット順でZの次の文字がないため、ギリシャ文字の1番目の文字である「α(アルファ)」が用いられたのだ。
◆「α世代」は2010年代から2020年以降に生まれた人を指す。2010年といえばInstagramやiPadが登場した年であり、それまではデジタルコンテンツといえばテキスト中心だったものが、動画や画像のコンテンツが主流になった時代だ。幼少期からの遊び一つとってもオンラインコミュニティでのゲームであったりする。そして、小中時代にコロナ禍。学校教育に一斉にタブレットが導入された時代でもある。
「ビジョンハッカー」
ワールドカップのスペイン戦でも大注目の「Z世代」だが、彼らは、もう一つ注目されている。それは、世界をアップデートする「ビジョンハッカー」の中心としてだ。
ビジョンハッカーとは
◆かのビル・ゲイズが支援を惜しまないビジョンハッカーとは、「目の前の課題解決に取り組む」だけにとどまらず、課題を生み出すシステムや背景にも注目し、これまでにないやり方で世界のアップデートに挑む人々をさす。
◆世界をアップデートするとは、「世界」をよい方向に改善しているという意味であろうか。そのキーワードは「利益追求より社会貢献」と「デジタルネイティブ」だ。
◆「利益追求より社会貢献」とは、そう「利他の実践」。「菩薩行」そのものなのだ。
「Z世代」の特徴
◆この世代の特徴は、3つある。1つ目は、教育方針・方向性が転換している。「みんな違って みんないい」の多様な考え方が当たり前、だから他人の価値観を尊重きる世代ということだ。2つ目は、一瞬で全てが変わるあの東日本大震災の不安な社会情勢を経験していることだと思う。そして3つ目は、「生まれた時からのデジタル社会」。つまり、デジタルネイティブということだ。
「食用コオロギ・エコロギー」と「ビジョンハッカー」
◆まず、目をひいた「ビジョンハッカー」は、以前postした「食用コオロギ・エコロギー」関連だ。この事業を海外で展開するのは、葦苅 晟矢(あしかり せいや)さんと池田 健介(いけだ けんすけ)さんだ。彼らは、食用コオロギの生産・加工・販売を、「低栄養妊婦の栄養改善プロジェクト」を切り口にして、世界の食糧・資源・貧困・健康など、様々な社会課題解決に挑んでいる。
◆葦苅さんは、早稲田大学時代に所属していた模擬国連のサークルで、世界の食糧や資源に関する社会課題を知ったことがきっかけで、循環的・分散的に生産できる食糧資源について研究始め、昆虫食にたどり着いたそうだ。以前にPOSTしたように、「コオロギ」の栄養価はとても高く、良質な動物性タンパク質、ミネラルやビタミンを多く含み、雑食性であるため、農作物の残渣(ざんさ)を餌に育てることができる。雑食性であることで資源を循環させながら生産することができるところが魅力だという。
◆また、カンボジアは、昆虫食が一般的で、コオロギを日常的に食べ、現地の人にとって身近な食材だ。もともとカンボジアに連携パートナーがいた縁もあり、2019年頃からカンボジアを拠点に生産・加工・販売を進めているのだそうだ。
「利他の精神」「菩薩行」
◆この取り組みのどこが「利他の精神」「菩薩行」なのかとは、次の質問への答えで明確だ。
◆「低栄養妊婦」を対象にしていますね。「妊婦」に注目したのはどんな経緯でしょうか?
これに対して、池田さんが答えている。「どんな人にコオロギを届けたら喜ばれるか」ずっと考えていて、カンボジアの妊婦さんの半分以上が貧血状態であること、タンパク質やミネラル、ビタミンなどの栄養不足が大きな課題であり、さらにカンボジアの妊婦さんの死亡率、5歳未満の死亡者数、低体重児の割合はいずれも高い状況であることも知り、このプロジェクトを立ち上げたというのだ。
参考・引用; ~ビジョンハッカーの挑戦(5)エコロギー葦苅さん・池田さん~ | DRIVE – ツクルゼ、ミライ!行動系ウェブマガジン https://drive.media/posts/30693
今後の展望
◆活動する価値は、自分がよければよいのではない。それよりも、その事業をすることで社会のどこに「貢献」(池田さんは喜んでもらえるか)を先に考える。彼らは「エコロギー」と「低栄養妊婦」結びつけたのだ。「エコロギー」が伸びれば、「低栄養妊婦」が助けられていくのだ。正しい選択であると思う。なぜなら、これまでも、利益追求のみ企業はやがて淘汰され、退場している現実もずいぶんあったではないか。
◆2025年までに、カンボジアの妊婦さんの30パーセントにあたる約11万人に1個10円程度で安価に販売できる仕組みを計画しているそうだ。
まとめ
◆素直に応援したいと思う「Z世代」の利他の実践だ。利他の精神とは、平たく言うと「自分をよくし」、「まわりをよくする」ことだ。その実践が「Z世代」が中心に始まっている。X世代の私もまだまだがんばらねばと思う。
◆さて、AIシュミレータでワールドカップの予想が公開されている。スペイン戦開始前はベスト16の確率が26.6%だった。現在のベスト8突破の確率は32.3%となっている。期待できそうだ。しかし、ちなみに優勝確率は0.8%となんと失礼な数値だ。
付録 昆虫食とは
◆国連WFPの発表によると、生命や生活に差し迫った危険を及ぼし、緊急の支援が必要とされる深刻な飢餓(急性食料不安)に苦しむ人々の数は、2022年、世界82カ国で3億4500万人に達する。 新型コロナウイルスの感染拡大前の2019年と比べて、約2億人の増加だ。毎晩空腹で床に就く人の数は世界で8億2,800万人を超えたという。
◆そして、ウクライナでの戦争を受け、事態が一段と悪化している。食料と肥料の価格がますます上がり、輸入業者が打撃を被っている。生産者もそうだ。化学肥料の値上がりが話題に上がる。
昆虫食の自動販売機
◆一昨日の地方紙のコラムに昆虫食の自動販売機が取り上げられていた。
◆メッキ加工品販売のハイジェント(東京・渋谷)は生産子会社ハイジェントテクノロジー山形工場(山形県新庄市)で食用コオロギの養殖事業に乗り出し、増産体制を確立した。「コオロギ飼育は環境にも優しい」(ハイジェント)といい、新たな収益の柱に育て、海外工場での増産も視野に入れているそうだ。
コオロギ養殖の魅力
◆このコオロギ養殖の餌には、廃棄処分されてきたJAの野菜などを活用するなど、SDGSを念頭においた企業スタイルを堅持している。
◆県産コオロギの第1弾商品は、マッシュルームとニンニクの風味を利かせたコオロギの形を残したままの「煮干し」で、サクサクした食感が特徴。商品名は「山形こおろぎ ガーリックマッシュルーム味」。県内産のマッシュルームスライス、ニンニクを組み合わせ、ご当地にこだわったという。
◆コオロギ養殖の魅力を担当者は「1ヶ月で1000倍の大きさに育つこと」だという。1mgの卵から1gの成虫に育つのだ。卵も1匹の雌から1500〜2000個生まれ、増やそうと思ったらいくらでも増やせるという。
課題
◆驚いたのは、自動販売機のラインアップの中に、京都や広島のコオロギと並んで、タイ産の「スコーピオン」と「タランチェラ」があったことだ。いずれも1700円で大人気だという。自動販売機から買った「タランチェラ」でパスタを作っている動画があったが、そのまま一匹「タランチェラ」が入っていた。
◆この調子できっと、人類は、地球上のものを全て食べ尽くしてしまうのだろうか。
◆養殖はヨーロッパイエコオロギやフタホシコオロギ(奄美大島)。逃げ出せば在来種への影響も考えられる。最適に温度に保ち、管理する熱エネルギー。餌、病気などの問題点はまだまだありそうだ
今日も深呼吸と合掌とオンニコニコで
◆深呼吸で「心のデトックス」。一度息を全て「大地に」吐き出します。次に胸を広げて鼻から息をたっぷり入れます。最後は「吐く息は細く長く」です。呼吸をコントロールし、呼吸に集中。自分の心にアプローチ。
◆「自分の根っこ」に感謝。ここに自分があること。お父様、お母様。あなたの隣にいる人とそのご縁。これから出会う新しいご縁。全てに合掌しましょう。
◆いつもニコニコ怒りません。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」は、自分もまわりも明るく・仲良く・イキイキと導くおまじない。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」。
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