「閾値」のとは、ある一定の値以上で影響があり、それ以下では影響がない境界の値のことだ。

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輪橋山徒然話 2023-12-26 「貴方と私それぞれに閾値があるのです」

◆さて「閾値」を読めただろうか。

◆まず、「閾」は門の敷居を表す漢字だ。内と外の境界。しきりという意味である。

◆調べてみると、音読みが「いきち」、訓読みで「しきいち」だ。そして、「いきいち」は工学、物理学界隈の読みで、生物学、心理学界隈では「いきち」が使われるそうだ。

◆「閾値」の意味は、「ある一定の値以上で影響が出て、それ以下では影響が出ない境界の値のこと」だ。つまり、ハードルだ。

◆例えば放射線には、その影響で、脱毛、不妊などを生ずる最小の線量が存在する。これを超えると症状がでてしまう。これを放射線の「しきい値」という。ハードルを超えると大変なことなのだ。

◆さて、人は「痛み」についての「しきい値」は人それぞれだという。この意味は与えた痛みは同じ「程度」でもその感じ方は人によって違うということだ。ある人にとっては蚊に刺された程度でも、別の人には「虎」に噛まれたような痛みだったりする。その原因は、過去の経験などが要因となった「個々の閾値」があるからだ。これは、放射線のように科学的に導き出されたされではない。

◆モラルについての「閾値」はどうだろう。

◆自動車会社の不正、政治家の裏金づくりと考えられない話が続く。自動車会社の根幹である安全性の検査、最もクリーンにしておかねばならない「お金」の話。問題なのは、一部で内密になされていたわけではなく、大規模に行われていた点だ。何とかモーターでも非常に大掛かり、会社ぐるみ。これこそ、「モラルの閾値」が低くなった結果ではないだろうか。

◆「閾値」を低くしてしまう原因は何だろう。「モラルハザード」だ。それは、「みんなやっているから」「一度やってしまったら」という心理からきている。

◆かつて「赤信号みんなで渡ればこわくない」というブラック・ジョークが流行った。しかし、あれは、あくまでも「ジョーク」だ。だから笑えた。

◆ここに「日本人のモラルが低下すると,社会にどのような影響をもたらすと思うか」と聞いたアンケートがある。その結果,「犯罪が増える」が全体の 41%,ついで「正直者が損をする社会になり,モラルが一層低くなる」が 30% を占めた。「モラル違反を取り締まるための法律や罰則ができ,制約が増える」とか「モラル違反の後始末のために余計な費用がかかる」という回答はそれぞれ10%程度だった。

◆「犯罪か増える」とか「制約が増える」といった直接的な影響ばかりでなく,さらなるモラル低下を懸念する回答が少なくなかった。モラルが低下するとさらなるモラルの低下を招く…いわば“モラルスパイラル”ともいえる状況に陥る心配がある。

2006年7月に実施した「日本人のモラルに関する意識調査」より

◆2023年の状況は善悪の「閾値」つまりハードルが考えられないほど低下し、「モラルスパイラル」の時代に入ったかのようにも思える。ここまで酷いの「閾値」の低下の原因が「忖度」もしくはワンマン体質で説明されるとしたらこれは…。

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