「死死死死死冥終 輪廻転生」
三界狂人不知狂
四生盲者不識盲
生生生生生始暗
死死死死死冥終
自らが狂っていることを知らず
見えていないことに気付かない
生のはじめに暗く
死の終わりに冥し
◆輪廻転生を説く弘法大師の言葉だ。「輪廻」とは輪が回ると書くように、同じ所をぐるぐる回ること。「転生」とは、生まれ変わること。つまり、「輪廻転生」とは、車の輪が回るように、同じところをぐるぐる生まれ変わり死に変わりすることだ。
◆「#100万回生きたねこ(#佐野洋子 )」という絵本がある。主人公は「死死死死死冥終」の輪廻転生を繰り返すのだが、最期に「死死死死死冥終」ではなく「死死死死死明終」で終わる話だ。
100万年も 死なないねこがいました。
100万回も死んで 100万回も 生きたのです。
立派な トラ猫でした。
100万人の人が そのねこを可愛がり
100万人の人が そのねこが死んだ時泣きました。
ねこは一回も 泣きませんでした。
こんな書き出しで始まる
◆王様、船乗り、手品師と主人公のトラ猫が生まれ変わるたびに飼い主が代わる。そして、その度ごとに、トラ猫は不運に巻き込まれて、死んでしまう。そして、飼い主は大きな悲しみに打ちひしがれる。
◆しかし、トラ猫は、悲しまないのだ。死ぬのも平気だ。その理由はどの飼い主にも未練がないから。なによりトラ猫は、立派なトラ模様の「自分のこと」が大好きだった。
◆トラ猫は生きて、死んで、また生きて死んでしまうこと、輪廻転生を繰り返すこと「100万回」。「生生生生生暗始 死死死死死冥終」を繰り返す。
◆「ところが である」。このトラ猫が、最後に生まれ変ったのは「野良猫」だった。飼い猫の今までとは何か違う。そう自分が自分の飼い主なのだ。
◆やがてトラ猫は白猫と恋に落ちる。たった一匹、トラ猫に見向きもしない、白い美しいネコだ。そして…白猫の死…。
◆この絵本は、10歳の子どもに読み聞かせをしても、お寺で大人に読み聞かせをしても、至極評判がよい。きっと、子どもであっても大人も、死んで、また生きて死んでしまう猫が教えてくれる「しあわせとは」「なぜ生きるのか」「人生で大切なものは何か」「死とは」そして「愛」に寄り添える話だからだ。
ねこは、白いネコと一緒に、
いつまでも生きていたい と思いました。
…
ある日、白いネコは、ねこの隣りで、
静かに動かなくなっていました。
ねこは、初めて泣きました。
夜になって、朝になって、
また夜になって、朝になって、
ねこは100万回も泣きました。
朝になって、夜になって、
ある日のお昼に、ねこは泣き止みました。
ねこは、白いネコの隣りで、
静かに動かなくなりました。
◆猫が最後に見つけた「愛」は、「冥」を「明」へと変えた。100万回の輪廻が終わり、成仏したのだ。
ねこは もう、
けっして
生き返りませんでした。
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