この男性は、3ヶ月後に家族へ「ありがとう。思い残すことはないよ。仲良くね」と告げ、旅立った。

いのち

輪橋山徒然話 2024-9-3   「幸せな最期を迎えるための自己決定」

悪性リンパ腫を患う85歳の男性の選択

◆昨日の泣きそうそうの話である。

◆患者が自らの治療方針を選ぶ権利「インフォームド・チョイス」は、現代の医療において欠かせない権利だ。患者が十分な情報を得た上で、自らの意思で治療の選択を行うことを保証する。そこには、治療を受ける権利だけでなく、治療を拒否する「治療しない権利」も含まれている。

◆治療しない権利とは、患者が提案された治療を受けないことを選択する権利である。自分にとって治療が望ましくない、あるいは受けたくないと判断した場合、その選択をすることができるのだ。

◆しかし、病気であるにもかかわらず治療を拒否するという選択肢には、どのような意味が込められているのだろうか。

◆ある悪性リンパ腫を患う85歳の男性の選択が、その答えを教えてくれる。

◆医師である息子は、父親にできるだけ治療を受けてほしいと願っていた。しかし、父親自身は違っていた。「もう十分生きた。痛いことはもう嫌だ。抗がん剤治療は受けたくない」と、85歳の男性ははっきりと意思を示した。

◆「親父の人生だから、しょうがないな」息子も最後には父親の意思を尊重した。医師は家族に対し、「今、おじいちゃん本人が手術や抗がん剤治療はしないと決めました。ご本人の意思を尊重してあげましょう」と伝えた。

◆それを聞いた男性は、嬉しそうに安堵した表情で「ありがとう」と医師の手を握りしめたそうだ。

◆この男性は、3ヶ月後に家族へ「ありがとう。思い残すことはないよ。仲良くね」と告げ、旅立った。

◆この医師は鎌田實先生だ。鎌田實医師は、納得した人生を送る(人生を締めくくる)ことができれば、見送る家族も救われると言っている。

◆自分の意思を明確にし、それを家族に伝えておくことが、いざというとき家族を困らせないための最大のプレゼントになるのだ。

◆この物語は、医療がただ延命を目指すだけではないことを教えてくれる。患者が自らの人生に責任を持ち、自分の意思で最後の選択をすることが、真の意味でのインフォームド・チョイスであり、それこそが、本人にも家族にとっても「幸せな死」をもたらす鍵なのだ。

◆「幸せな最期を迎えるための自己決定」に必要なこと

そのタイミング
病気になったとき
介護が必要になった時
死が目前に迫った時

その中身
どんな最期を迎えたいか
どんな医療を受けたいか
どんな介護を受けたいか

大切なこと
「家族任せにしない」「医者任せにしない」

本日は、「家族への忖度を忘れるより」(60歳からの忘れる力 鎌田實 医師)を参考にしました。

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