さだまさしの「雨宿り」は「素朴でおおらか」が当たり前の時代のラブソング

雨傘さだまさし
雨傘

「雨宿り」と「赤いスイートピー」

◆今回の輪橋山徒然話は、みんな普通にゲラゲラ笑い、肩をくみ、涙を浮かべた頃の昭和歌謡・ラブソングについて考える。

「雨宿り」というラブソング

◆もともと自分の「そば」にいなかった「この人」と出逢う。これが「縁」だ。我々年寄りはともかく、若者には、人と人の距離をもう少し近くに戻してもいいのにと思う。

◆さだまさしさんの「雨宿り」は、「出逢いと縁」と「素朴でおおらかさ」が当たり前の時代のラブソングだ。

雨やどり               さだまさし       雨宿り動画

それはまだ私が神様を信じなかった頃

9月のとある木曜日に雨が降りまして

こんな日に素敵な彼が現れないかと

思ったところへあなたが雨やどり

すいませんねと笑うあなたの笑顔

とても凛凛しくて

前歯から右に四本目に虫歯がありまして

しかたがないので買ったばかりの

スヌーピーのハンカチ

貸してあげたけど 傘の方が良かったかしら

「前歯から右に四本目の虫歯」で笑えた日

◆ベストテンの時代だ。「あなたの笑顔とても凛凛しくて 前歯から右に四本目に虫歯がありまして」で笑い声が入る。Liveなのか、それとも効果音なのかは不明だが、この笑いにハートをぐいと掴まれた。虫歯でなく、「前歯から右に四本目」の言い回しの妙を笑ったのだが、今は、人の身体的な欠点を笑ったりしてはいけないと「キツく」嗜(たし)められそうだ…。

◆しかしこの頃は、「前歯から右に四本目に虫歯」は、あるかもしれないが、はやく治した方がいいくらいで、相手の人格を理解する決め手にはならなかったし、本人も平気だった。この時代は誰もが共有できたとは言えない感覚だが、致命的な欠点ではないのだ。この後の靴下に穴と同程度。それらの全てが「爽やかさがとても素敵だった」いうおおらかな感覚だ。

◆現代は著しく違ってしまった。虫歯をそのままにして置くことが不潔なのだ。もしも、「彼女が欲しいがどうしましょう」うと「出会いのプロ」に尋ねたとしてら、まず、とりあえず虫歯の治療をいの一番に進めるだろう。場合によっては、襟ぐりの汚れ、袖の汚れ。毎日歯を磨いているかと諭されそうだ。

煙草の匂いの赤いスイートピー

◆最近気がついたのは、クサイだけではなく、ニオイそのものがマイナスイメージらしい。

◆いつの間にか、「いい匂い、いやな匂い」で判断するのではなく、ニオイがしないほうが清潔だという感覚がなっているのだ。昔々、校長のmagnumの整髪がきついと私たちはこぼしていたが、いまや微香性の芳香剤や柔軟剤までもスメル・ハラスメントとして嫌悪対象になってしまっているという。

◆さて、あの頃は、煙草の匂いについても全然寛容だった。赤いスイートピーにもあるだろう。

赤いスイートピー  松田聖子               赤いスイートピー動画

春色の汽車に乗って

海に連れて行ってよ

「煙草の匂い」のシャツに

そっと寄りそうから

◆煙草の香は「臭い」でも「におい」でも「ニオイ」でもないのだ。「恋人たちにとっては、貴方の匂い」だったのだ。

記憶を呼び覚ます香

◆電気のない時代「五感」の特に嗅覚は大事だったろう。私たちが普段思っているよりもこの能力は鋭いと思う。コロナ禍で初めて「ニオイ」がわからない、しないという症状がでた。実際に体験した人は、思いもしない症状だったので不気味に感じ、無臭空間の怖さにたじろいだという。それが大きな不安に繋がったという。

◆空間が音や光、香りによって構成されているように、私たちの記憶もそうなのだ。

◆私は、セーター首を通す時、ふと匂う毛糸の香。これが私には幼いころの母の匂いだったりする。また、父の法衣を借りる時には父を感じる。台所の出汁の香りは家人のものだ。

また、街を歩いて、懐かしい香に振り向くこともあったりする。

◆香りがあの日のことを鮮明に思い出させることがあるのだ。

◆もう一度いう。ニオイそのものがマイナスイメージでは侘しくないかと。初恋の相手の匂いが「無臭」では寂しくはないのかと。匂いも大事な記憶なのだと。そのために、人と人の距離を「近い」と言われるくらでいいのにと思う。

今日も深呼吸と合掌とオンニコニコで

◆深呼吸で「心のデトックス」。一度息を全て「大地に」吐き出します。次に胸を広げて鼻から息をたっぷり入れます。最後は「吐く息は細く長く」です。呼吸をコントロールし、呼吸に集中。自分の心にアプローチ。

◆「自分の根っこ」に感謝。ここに自分があること。お父様、お母様。あなたの隣にいる人とそのご縁。これから出会う新しいご縁。全てに合掌しましょう。

◆いつもニコニコ怒りません。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」は、自分もまわりも明るく・仲良く・イキイキと導くおまじない。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」。

 

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