「姥桜」と「ソメイヨシノ」
「姥桜」
小泉八雲の怪談からはじめよう。
◆「姥桜」(乳母桜)という話である。
「姥桜」
300年前(現在からでは400年前になろうか)伊予国温泉郡朝美村に徳兵衛という富裕な村長(むらおさ)がおった。
四十になっても子供に恵まれなかったが、村の寺の不動明王に願かけて、娘を授かった。
露(つゆ)と名付けられた娘は、お袖という乳母の助けを借りて美しい娘に成長した。
お露は15の歳に、医者が見放すほどの大病を患う。乳母お袖の、21日間に渡る不動明王への祈願で、お露は快復する。そして、その翌日お袖は息を引きとる。
実は、お袖は自身の命と引き換えにお露を助けてほしいと、不動明王に祈願したのだった。
願いが叶えられれば、感謝の印として、寺の庭に桜の木1本を植えると約束をしていた。
徳兵衛夫妻は探しつくせる限り最高の桜の若木を植樹した。その桜は250年間毎年、2月26日に美事な花を咲かせ続けた。2月26日はお袖の祥月命日である。
正岡子規
◆それで、この桜は【姥桜】【乳母桜】と呼ばれている。根回り2.8m、樹高5m。根張りがよく、美しい彼岸桜だ。
うしろから支へ柱や姥桜
十三の年より咲て姥桜
愛媛県は松山「大宝寺」あるこの桜を子規も拝んだのだろう。
城跡の桜並木に思う
桜守が語るソメイヨシノの話だ。
桜の木に赤いテープ
◆城跡には桜並木が似合う。そのような桜の名所はその土地その土地にある。私の住むあたりの桜並木は、どんな理由かはよくわからないのだが、どんどん整理されている。だから、太い桜の木に赤いテープが巻いてあったりするとドキリとする。
◆桜切る馬鹿というが、枝だけでなくスッバリと切ろうというのか。ソメイヨシノは、他の桜に比べて寿命が短く、一般に60年~80年で老齢期に達すると言われ、終戦から数えて丁度入れ替えの時期とでもいうのであろうか。
「桜守・佐野藤右衛門」のことば
◆「どうしても切るというのなら、満開の時に切ったらええ。満開の時に切る度胸があるのかと聞いてみたい。」京都の桜守 佐野藤右衛門さんのことばだ。
◆佐野藤右衛門さんは、仁和寺の桜をはじめ、全国の名桜を守る「桜守」として知られる。寺院の庭や公園、個人住宅の庭なども手がける植藤造園の16代当主だ。ユネスコ本部日本庭園など名高い庭園を手がけている。現在95歳だ。
「ソメイヨシノの不思議」
◆「ソメイヨシノの不思議」とは、種がないことだ。花は咲くが蜜はでないという。だから花が咲くが実はできないという。なぜなら、人の手で作られた桜だからだ。佐野藤右衛門さんは、ソメイヨシノは接ぎ木で増えるクーロンだという。染井吉野はただの一本。日本国中のソメイヨシノはその枝なのだと。
◆だから、切ってもいいのか。そんなことはない。「それでも人の都合で植えたのなら、人が最後まで面倒見てやらんといかんのです。ええとこ取りで、綺麗な時だけチヤホヤするのでは、可愛そうや。」佐野藤右衛門さんは強く言う。
◆その通りや。
輪橋山より
今日も深呼吸と合掌とオンニコニコと一筆付箋写経
◆深呼吸で「心のデトックス」。一度息を全て「大地に」吐き出します。次に胸を広げて鼻から息をたっぷり入れます。最後は「吐く息は細く長く」です。呼吸をコントロールし、呼吸に集中。自分の心にアプローチ。
◆「自分の根っこ」に感謝。ここに自分があること。お父様、お母様。あなたの隣にいる人とそのご縁。これから出会う新しいご縁。全てに合掌しましょう。
◆いつもニコニコ怒りません。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」は、自分もまわりも明るく・仲良く・イキイキと導くおまじない。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」といつでも清々しく保つための術「付箋写経」の輪橋山徒然話でした。
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