シェル・シルヴァスタインの「おおきな木」と佐野洋子さんの「おぼえていろよおおきな木」の話をしよう

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2023-12-20 輪橋山徒然話 二つのおおきな木の話をしようか

◆二つの木の話を読んだ。

◆一つは、「おおきな木」シェル・シルヴァスタイン作の絵本。

リンゴの木と少年は友達だった。
ともに遊び、心を通わせていた。

しかし少年は大人になってゆきお金が必要になる。
木は「私の果実を売りなさい」と言う。
少年は果実をすべて持っていった。

しばらくして、大人になったその子は家が必要になる。
木は「私の枝で家を建てなさい」と言う。
その子は枝をすべて持っていった。

また時が経ち、男は「悲しいので遠くへ行きたい」と言う。
木は「私の幹で舟を作りなさい」と言う。
男は幹を持っていった。

時が経ち、男は年老いて帰ってきた。
そして「疲れたので休む場所がほしい」と言う。

さて、切り株になったおおきな木は最後になんと答えるだろう…

◆二つ目も「おおきな木」佐野洋子さん作。
ただし、「おおきな木」の前に「おぼえていろよ」というセリフがついている。

◆主人公はちょっと屈折した「おじさん」だ。

見事に大きな木がありました。
大きな木の陰の小さな家におじさんが住んでいました。

おじさんは、大きな木の下でお茶を飲むのが好きだったが、
お茶を飲んでいると、その木にとまった小鳥のフンが落ちてくるのである。
すると、おじさんは木を蹴飛ばして言うのである。
「おぼえていろよ」

夏になって、おじさんがハンモックをつって昼寝をしていると、
おじさんの上に大きな木からぶらさがった何匹もの毛虫がいる。
驚いて飛び起きたおじさんは、またしても木を蹴飛ばして言うのである。
「おぼえていろよ」

小鳥のさえずりで眠ってられない。
木陰でお茶を飲むと、小鳥のふん。
洗濯物を吊すると陰に。
ハンモックで寝ると毛虫が。
実がなると近所の子が盗みに。
落葉掃除に辟易して焼きいもに。

冬になり、雪が降れば雪かきをするおじさんの上に
大きな木に積もった雪がドタッと落ちてきた。
頭にきたおじさんはやっぱり木を蹴飛ばして言うのである。
「おぼえていろよ」…

蹴飛ばして衝撃でさらにたくさんの雪がおじさんの上に落ちてきた。
とうとうおじさんは、斧を持ち出して
「おぼえていろ!!おぼえていろ!!」
と叫びながら大きな木を切り倒してしまった。

それ以来
小鳥が来なくて寝坊、
木陰がなく、
洗濯物が干せず、
ハンモックができず、
実もならない。
木の有り難さに気づき号泣。

このあとは…。

◆さて、教室で読み聞かせをすると子どもたちは、木を切ってしまったそのおじさんは寂しさをの表情の変化をじっと見ている。

◆実は子どもたちにはお馴染みのおじさんなのだ。一年生の国語の教科書「おじさんのかさ」の主人公と同じ不器用で、ちょっと孤独なおじさんとだから。

◆「全て与えつくしたおおきな木」のラストと「共生を教えるおおきなき」どちらも、心を揺さぶる。クリスマスにおすすめの一冊だ。

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