◆さて、今朝は、「どん底」からの起死回生の人生の話だ。
主人公はプロゴルファー古市忠夫さんだ。古市忠夫さんといえば、59歳で、史上2番目の年長で日本プロゴルフ協会(PGA)のプロテストに合格した人である。
◆阪神大震災が起こった1995年1月の前まで、古市さんはカメラ屋の主人だった。当時54歳。震災で家族とスカイラインとトランクの中のゴルフセット以外は全て失った。
◆無傷のゴルフセットと対面した時「『お前はこれで食っていけ』と言ったように一瞬感じた」という。50半ば、プロを目指すには無謀な年齢だ。おまけにその頃の古市さんは、ほとんどの時間を、地元消防団の副分団長や町会長として街の復旧に費やしていた。先日話題にあげた「どん底」である。落ちるところまで落ちた「どん底」の中で、それでも新たな人生をかけてプロゴルファーとして身を立てることを決意。震災発生の3ヶ月後からゴルフを再開した。
◆2000年9月、2度目のプロテスト挑戦で、若いエリートたち約1800人と争い、50位以内に入り、合格。60歳を目前に夢をかなえたのだ。この挑戦は映画にもなっている。
◆思いもよらぬどん底からの古市さんの大ジャンプ。それを成し得た要因を古市さんは「希望の方程式」という。それは「奇跡=才能×努力×感謝力」だ。最後の最後にものを言うのは「感謝力」だという。
◆古市さんは言う。
神戸淡路大震災に遭うまでは、どんな状況でも不撓不屈で頑張ることのできる人が勇者だと思っていました。でも真の勇者は頑張れることへ感謝できる人なんです。
どんな時でも、正直に、悔いなく、感謝の心を持って生きると、ものすごいパワーが生まれて奇跡を起こしてくれるのです。
◆奇跡は、周りの誰が起こしてくれる奇跡であり、自分の力で奇跡を起こしているのではないという。例えば、頑張れることに感謝できる人は、どんなにミスをしてもオドオドしないという。感謝は人の心を大きく、美しく、そして強くするというのが方程式の意味だ。その方程式の示す真理を知らずして「勝者」にはなれないのだ。
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