不老不死と人類と進化
「クライオニクス」
◆「クライオニクス」という技術で、有名メジャーリーガーのテッド・ウィリアムズは、自身遺体を保存している。もし、遺体の細胞を損なうことなく解凍し、治療できる技術ができれば、解凍する計画なのだそうだ。上手くいけば彼は生き返ることになる。
◆そして、いつまでも若々しい心と体を維持したい、実際の年齢より、若く見せたいし、見られたい、出来るだけ長生きしたいというのが、最近よく聞かれる「アンチエージング」だ。抗老化・抗加齢という意味だ。
「老化の定義」
◆ルパン三世の「マモー」もそうだった。不老不死は、人類の夢である。不老不死のマモーの正体 (画像あり)
◆誰でも避けたい「老化」。「体力が無くなる」、「シワシワ」、「病気になりやすい」、「ヨボヨボ」、「加齢臭」。
◆老化を一言で定義すると「死亡率が上がることだとわかりやすい」と大阪大学の吉森保先生はいう。そして、驚くことに人間を含めて、多くの動物が「わざわざ老化」し、進化の過程で「わざわざ老化」を選択した可能性が高いというのだ。 マモー動画
「不老不死」を選択しなかったのか
◆いつまでも、若々しいまま生きることができたらと方がよさそうに思うのだが、なぜ、進化は「不老不死」を選択しなかったのは、どういうことなのだろう。
◆それは、ズバリ「種」が生き残るためであるそうだ。吉森保先生は野ねずみとフクロウの話を例にあげている。
◆仮に野ねずみが「老化」しなければ、一番動きが遅く、捕食者であるフクロウに狙われ、狩られるのは野ねずみの子どもばかりだという。
◆その結果、野ねずみの子孫は絶え、いずれは全滅することになる。しかし、仮に老化した野ねずみがいれば、子どもばかり狩られる可能性は減るのだ。つまり、年寄りが狩られることで子孫が残り、集団、種の全滅を防ぐことになるのだ。
人間の場合はどうだろう
◆人間ではどうだろう。もし、老化しない、死なない未来になったならばどうなるのだろう。
◆老ない人間、死なない人間がばかりの未来は、明るい未来だけなのだろうか。確実に食糧危機はありそうだ。そして、新たな生存競争が始まるかもしれない。もちろん、人間が捕食されることはない。
死なない未来
◆死なない未来一つとっても「絶対にいいでしょ!」と飛び付けない恐ろしさがある。しかし、科学は確実にその世界に近づいている。「科学をどう使うかまでは、科学は答えを持ち合わせていない」と吉森保先生は強調している。
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