人は自然の摂理にどこまで手を加えることが許されるのだろう。その結果どんな代償が待っているのだろう。

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輪橋山徒然話 2023/10/30「人工消雨と天気の子」

◆お米の等級は味には関係ない。見た目だけでの審査なのだそうだ。

◆今年の出来栄えは、かつて無いほどの不良だそうだ。そういえばこの辺りでも、例年とは違う秋の収穫時の田んぼの色だった。その原因は高温障害と水不足。今年の89月は異常だった。私も8月12日の雨以外は記憶にないほどだ。

◆しかし、天気を人間が完全にコントロールできる時代は、もうそこまできているのだという。

◆2008年北京オリンピックの開会式の天気予報は「雷雨」だった。そこで中国当局は、晴天になるように天気を制御した。

◆その方法は、会場に近づいてくる雨雲を見つけ、その雲のま上で「ヨウ化銀」という無機化合物を散布し、事前に雨を降らせて雨雲を消滅させたのだ。さらに、開会式当日には、もう一つ雨雲が発見され、「ヨウ化銀」搭載のロケットを1000発も打ち、開会式前に雨雲を消滅させたそうだ。「人口消雨」という技術だ。

◆ここで使われた「ヨウ化銀」は雲の中の水分子と化学反応させることのできる化学物質だ。
雨粒の種にして粒を大きくなるように促すのだ。実際に中国やロシアでは、この人口降雨で干ばつや水不足の対策が始まっているそうだ。

◆日本でも、2008年6月に、四国の早明浦ダム上空に雨を降らせる実験が行われ、実用化に向けての研究がはじまっている。雨だけではなく、冬に山間部に雪を降らせることで、雪解け水を農業用水として活用するなど、「必要な時に必要な場所に水を降らせる」ための技術として活用が期待できるそうだ。

◆しかし、人間の都合で天気のコントロールなどしてはよいのだろうか。そもそも、現在の異常気象は「温室効果ガス」をはじめとして人類に原因があるのではなかったのか。

◆新海誠監督の「天気の子」という映画があった。舞台は、雨が全くやまないという異常気象の東京だ。ヒロインは“祈るだけで晴れにできる“力を持つ少女・陽菜(ひな)。しかし、同時に「祈るだけで晴れ」にすることで、彼女の身体が徐々に透明化していくという悲しい「代償」を抱えていたではないか…。

◆さて、人間は自然の摂理、天の配剤にどこまで手を加えることが許されるのだろうか。そして、その結果どのような代償が待っているのだろうか。

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