嘘は「悪」なのだが、手段として時には必要であるという「嘘も方便」

しらゆきひめ仏教
Fairytale evil old witch holding a poisoned red apple at twilight in a deep forest, scene from the tale Snow White, 3d render

白雪姫の魔法の鏡足りないものは

ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘

◆最近お寺での法事のあとで、先代住職の遺影などを目に入ったからなのか「最近、いよいよ似ておいでになりましたねぇ」などと声をかけて頂く事がある。褒めるところがないので、そのように言ってくださるのだろう。先代住職の父は、穏やかな人だった。そして、なにより、遺影の写真からほどなくして亡くなっている。(ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘)

◆それでも、さりげなく私を褒めてくれるのは、有難い。しかし、「もう少し、長生きしたいので、私如きはまだまだです」と答える。

周りからの賞賛がなくなってきた大人は?

◆さて、昨日のPOSTに次のようなコメントを頂いた。

「周りからの賞賛がなくなってきた大人は自分自身を褒めてあげることが必要ですね」

◆この言葉で唐突に頭に浮かんだのは、「白雪姫の鏡」である。以下菊池寛訳の白雪姫の一節である。

「鏡や、鏡、壁かべにかかっている鏡よ。国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」

 すると、鏡はいつもこう答えていました。

「女王さま、あなたこそ、お国でいちばんうつくしい。」

 それをきいて、女王さまはご安心なさるのでした。というのは、この鏡は、うそをいわないということを、女王さまは、よく知っていられたからです。

 そのうちに、白雪姫は、大きくなるにつれて、だんだんうつくしくなってきました。お姫さまが、ちょうど七つになられたときには、青々と晴れた日のように、うつくしくなって、女王さまよりも、ずっとうつくしくなりました。ある日、女王さまは、鏡の前にいって、おたずねになりました。

「鏡や、鏡、壁にかかっている鏡よ。国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」

 すると、鏡は答えていいました。

「女王さま、ここでは、あなたがいちばんうつくしい。けれども、白雪姫は、千ばいもうつくしい。」    青空文庫 グリム 菊池寛訳 より

◆継母である王女は「白雪姫は、千ばいもうつくしい」に激怒するのであるが、それまでは、かがみがあったおかげで幸福だった。鏡がいつも、本当のことをいって王女を安心させ、最後には本当のことをいって激怒させるのである。

◆「それをいっちゃーおしまいよ」である。言葉はこわいものだ。

「嘘も方便」と「対機説法」

◆「嘘も方便」という便利なことばがある。その意味は、嘘は「悪」なのだが、手段として時には必要であるということだ。例えば「そのようなことをしては、バチが落ちるぞ」とか、仏が衆生済度にあたっては、方便(=手段)として、結果として嘘をつくこともありうるということなのだ。大きな善行の前では、嘘も認められるということだ。

◆「対機説法」という言葉もある。相手や状況などに応じて教えを説くことをいう。機とは法を説く相手のことだ。相手の人格、年齢、教養、性質、その他諸々を踏まえて、その人に「ささるよう」に法を説くのだ。いくらよい教えを説いても伝わらなかったら無意味なのである。それは、伝える者の技量であり、責任だ。法を説くとは語る側の自己満足であってはならないのだ。

◆つまり菊池寛の「鏡」に足りなかったのは、「嘘も方便」と「機をみて説く仏の心」だ。

さて、さて

◆さて、この鏡であるがディズニーの「白雪姫と鏡の女王」の女王に見覚えがあった。なんと、「プリティウーマン」のジュリア・ロバーツが意地悪な継母の女王に扮していた。現在55歳になられたとか。私も年をとったものだ。最近の一番のショックなことだ。

今日も深呼吸と合掌とオンニコニコで

◆深呼吸で「心のデトックス」。一度息を全て「大地に」吐き出します。次に胸を広げて鼻から息をたっぷり入れます。最後は「吐く息は細く長く」です。呼吸をコントロールし、呼吸に集中。自分の心にアプローチ。

◆「自分の根っこ」に感謝。ここに自分があること。お父様、お母様。あなたの隣にいる人とそのご縁。これから出会う新しいご縁。全てに合掌しましょう。

◆いつもニコニコ怒りません。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」は、自分もまわりも明るく・仲良く・イキイキと導くおまじない。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」。

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