輪橋山徒然話2024-9-9. 「赤いランドセル-思いやりの連鎖 -」
◆女の子は、天国にいる父親に手紙を書くことを思いつきます。
どうしても赤いランドセルが欲しかったのです。
女の子の家庭は父を早くに亡くし、
お母さんと二人きりの生活でした。
ランドセルを買う余裕はありませんでした。
女の子はお家のことをよくわかっていました。
だから、お母さんには言えません。
お母さんが困るからです。
でも、どうしても赤いランドセルが欲しかったのです。
◆「お母さんには頼めない」でも、天国のお父さんなら
きっと私の願いを叶えてくれるはずだ。
そう思い立った女の子は、
まだ習いたてのひらがなで手紙を書きました。
天国のお父さんへ
べんきょうもがんばっています。
おかあさんをたすけるために、
いっぱいがんばります。
だから、おねがいがあります。
わたしに、あかいランドセルをください。
いいこにして、
いっぱいべんきょうするから、おねがいします。
◆宛名には「天国のお父さんへ」。
女の子はポストに投函しました。
◆天国宛のハガキと、幼い字で書かれた願い。
そのハガキを偶然見つけたのは、郵便局で働く人たちでした。
◆いつものように宛先不明として送り返すことができず、
郵便局で働く人たちは相談を始めます。
「こんなハガキ、どうしたらいいだろう?」
「送り返すのはあまりにもかわいそうだよね」
「それなら、僕たちが天国のお父さんになってあげようよ」。
◆その結論は、なんと郵便局の人たちみんなでお金を出し合い、
彼女のために真っ赤なランドセルを買うことに決めたのです。
◆次のような手紙を添えてランドセルを贈りました。
お手紙ありがとう。
お父さんは、とってもうれしかったよ。
いつも頑張っているのを天国から見ているからね。
これからも優しい人になって、
お母さんを助けてあげてね。
ランドセル、少し遅くなったけど贈るね!
◆この思いやりが、女の子にとって大きな贈り物となります。
◆女の子は、きさとこれからもお母さんを助け、それだけではなく、
また他の人を助けたいという気持ちを心に刻んだことでしょう。
◆このエピソードは、思いやりが他者に伝わり、社会に幸せの連鎖を生む力を教えています。
郵便局員たちの思いやりが、思いやりの連鎖という大きな種を蒔いたことになるのです。
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