情報の収集は、「ズレ」のない単一の分に都合の良い情報だけではなく、「ズレ」を恐れず、複数の視点から。

ブログ

輪橋山徒然話 12月12日  「右目左目がうむズレと遠近感」

◆五感の一つ「見る」という仕組みはうまくできている。

◆目で物を見るというのは、実は目だけの役目ではない。「見る」という一見自発的な行動もやはり巧みな脳の働きなのだ。

◆まず目に映った像は、信号に変えられて脳に送られる。その方法は、テレビの画像が電波で送信されるのと同じようなものだ。

◆その仕組みは、次のようになる。物を見るときには、右目と左目にはほぼ同じ像が映るが、実際ズレが生じる。その左右のズレのある映像を別々に脳に情報として送る。その送り方は次の通りだ。

◆例えば、外の景色を拝む。その時の画像の右目に映る外側半分の像は右脳に、内側半分の像は左脳に送られる。左目も同じで、左目に映る外側半分の像は左脳に、内側半分の像は右脳に送られる。

◆右脳と左脳は、それぞれ見たもののズレを持つ半分ずつを処理して、それを合わせて一つの全体の像を作り上げるという。そして出来上がる全体の像は、おくゆき、遠近感のある映像に仕上がるのだ。

◆この遠近感なるものは非常に重要である。

◆右目と左目の見え方が微妙に「ズレ」ているということを実感したければ、片目を瞑って箸で豆を摘んだり、右手の鉛筆の芯と左手の鉛筆の芯を合わせてみる。片眼ではうまくいかないのだが、両目だと簡単にできる。お試しになるとよい。

◆脳は左右の「ズレ」を巧みに調節し、修正して、遠近感の伴う虚像を見せているのだが、この虚像は、生き物として生存のためには絶対に必要な能力だという。もし仮に、この遠近感がなければ、外敵との距離感がわからなくなるのだ。逃げ遅れてしまうのだ。

◆さて、「ズレ」というとマイナスのイメージなのだが、平面を立体に変える左右の目のズレと同様に、「ズレ」にこそステップアップ、逆転の発想のチャンスがあるとも言えるのではないかと思う。

◆だからこそ、多様性が問われる今、情報の収集は、「ズレ」のない単一の(自分に都合の良い情報だけではなく)、「ズレ」を恐れず、時には勇気を持って複数の視点からものを見て考えることが大事なのだ。

#輪橋山徒然話
#ズレ
#逆転の発想
#日向
#木漏れ日
#心は大山
#奥行き
#遠近感

コメント