「それって感想ですね」「はい、論破!」
◆「はい、論破!」という言葉があるそうだ。
◆議論で、相手の言い分を言い負かした時に発する言葉だそうだが、驚くのは。この人を揶揄する言葉を子どもが使っているということである。
◆昨日の話を例にとれば次のようになる。
教師 「食器は手で持ちなさい。」
「それっ犬食いだよ!!」
子ども 「お父さんも持たないで食べるよ。」
教師 「・・・・」
子ども 「はい、論破。」
◆令和の小学生は大人を言い負かすほど利口になったのだろうか。
◆相手を論破する戦略は、「お父さんも持たないで食べるよ」だ。なぜなら、下手をすれば父親の攻撃になってしまう。
◆でも、俯瞰すればこの構図、立派な「子どもの屁理屈」だ。
◆「屁理屈」とは、自分の失敗や過失について理由を述べ、自分の正当さをあくまでも主張すること。自分のミスは決して認めず、必ず他人やその場の状況のせいにして謝ろうとしないことだ。最近の大会社の謝罪会見のような…。
◆ちょっと前までは、「屁理屈」と評価されたら終わりだったはずだ。
教師 「食器は手で持ちなさい。」
「それっ犬食いだよ!!」
子ども 「お父さんも持たないで食べるよ。」
教師 「はい、屁理屈。」
子ども 「・・・・」
それでも、屁理屈をこねれば、次に来るのはげんこつだった。
◆次のような屁理屈、「はい、論破」もあると聞く。随分とお困りだろうと思う。
子ども 「はい、論破」
母 親 「『はい論破』なんて、言っちゃいけません!」
子ども 「なんで? 理屈で考えちゃだめなの?」
母 親 「そういうのは『理屈』って言わないの。『屁理屈』っていうのよ」
子ども 「『理屈』と『屁理屈』の違いって、いったい何なの?」
母 親 「………。いい加減にしなさい!」
◆最近は小学一年生の喧嘩でも「はい。論破」合戦だそうだ。そして、最後には「それってあなたの感想ですよね」「だから、なんですか」と言い合いなるのだそうだ。困ったものだ。
◆筋道の通らない理屈を言い続ける。道理に合わないのが屁理屈だ、屁のように役に立たない理屈の意。「捏ねる」は、理屈・難題などを、あれこれと言う意で、「だだを捏ねる」の「捏ねる」と同じだ。
◆だから「だだを捏ねる」相手には何を言っても、逆に話に油を注ぐことになる。親でも教師でもそこに無防備に踏み込んでは同じ土俵に上がったことになる。対応は後にしたほうがいい。
◆さて、この論破という言葉を聞くと一人の人物が頭に浮かぶ。「ひろゆき」さんだ。しかし、現実には、ひろゆきさんは社会でうまく生きていくには、「論破などしないほうがいい」と強く言っている。「論破」のスキルがあっても使うことはないと。そして、「ひろゆき」さんは一言も「はい、論破」などと言ったことがないそうだ。
◆小学生のみなさん「論破王」がそういうのだから、「はい、論破」は使ってはだめですよ。「論破王」に「頭悪い」と言われますよ。
コメント