絶対に優位に立っていたはずが、自らの一言で、行動が阻まれてしまう「人食いワニのパラドックス」とは。

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輪橋山徒然話 2023-12-8 「矛盾」と「人食いワニのパラドックス」

◆「矛盾」は、古代中国の故事「自相矛盾」に由来する。

◆ある商人が「矛」(ほこ)と「盾」(たて)を売っていた。商人は「この矛はどんなものでも突き刺せる」と「矛」を売り、「この盾はどんなものでも突き刺せない」と「盾」を売っていた。それを聞いた見物人が「その矛でその盾を突き刺せばどうなるのか」と問うたという話だ。見物人の一声は、矛と盾の「どんなものでも」という前提をあっさり崩してしまったのだ。

◆このような一貫性がない状況を「矛盾」という。

◆今日話題にする「人食いワニのパラドックス」のパラドックスとは直訳すると「矛盾」だ。

◆「人食いワニのパラドックス」

あるワニが母親から子どもを奪って人質にする。

そして母親に向かって
「これから私(ワニ)が何をするかを当てることができたら子どもは返してやる。ただし、
もし間違えたら子どもを食べてしまう」と言う。

母親は絶望の中で答える。

「あなた(ワニ)は私の子どもを食べてしまうでしょう」

その答えを聞いてワニは「しまった」といって唸った。

◆さて、お分かりでしょうか。母親の返答で「ワニは子どもを食べる」ことができなくなったのだ。ヒントはどこかに「矛盾」がうまれてしまったのだ。

◆実は、次のような矛盾が生まれていた。

「あなた(ワニ)は私の子どもを食べてしまうでしょう」という母親の返答を誤りにするには、
→ワニは子どもを「食べずに」返すしかない。
→しかし、子どもを返してしまうと
→母親の回答は不正解だったことになる
→今度は、ワニは子どもを食べなければならない。
→しかし、子どもを食べてしまえば、母親の答えは正解になってしまう…。

◆「矛盾のループ」に入ってしまう。絶対に優位に立っていたワニが自分の「ことば」によって、行動が阻まれてしまうのだ。

◆「もしも〜したらどうなるという」という考え方は思考実験といわれるものの一つだ。パラドクス問題は、思考実験を促す。これはよい「ボケ防止」になりそうだ。ちなみに、このような問題のヒントは「矛盾のループ」だ。

例題
タイムマシンに乗って自分が生まれる前の過去にいきます。
そして、自分を産む前の両親を殺そうとします。

さてどのようなパラドクス・矛盾のループが生じるだろう。

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