藤沢周平さんも山田洋二監督も女性を描く名手 「隠し剣 鬼の爪」は身分違いの純愛話

庄内柿ドラマに学ぶ
庄内柿

「身分違いの純愛物語」

◆今日は、「秘剣」と「純愛」の話だ。傑作「たそがれ清兵衛」に続く、「隠し剣 鬼の爪」だ。監督・脚本は山田洋二、原作は藤沢周平。舞台は幕末の海坂藩である。私は、これが一番好きだ。

                     予告編「隠し剣 鬼の爪」

「秘剣」

◆とにかく山田洋二監督の「秘剣シリーズ」の凄さは映像にある。特にこの2作目は俊逸だ。二つの秘技の映像化が見事だ。物語には二つの秘剣。一つが「鬼の爪」、もう一つが「龍尾返し」だ。

◆藤沢作品だけでなく、剣豪物などいくつも秘剣が登場するが、なかなか文章を読んでもなかなかイメージできないことがしばしば。しかし、「隠し剣 鬼の爪」はリアルである。

◆そして、迫力。命のやりとりの中での相手と自分の息遣い。やっぱり映像はいいと思わせてくれる作品だ。

「身分違いの恋」の物語

◆しかし、キャッチコピーの「幕末。愛に生きる侍がいた」が示す通り、決闘シーンも秘剣もすごいのだが、底に流れるのは「身分違いの恋」の物語でもある。

◆主人公の「片桐宗蔵」は永瀬正敏。相手役の「きえ」は松たか子。片桐宗蔵(永瀬正敏)は下級武士であるが歴とした「武家」一方「きえ」(松たか子)は百姓の娘だ。片桐家での行儀見習いを終えて「きえ」は油問屋に嫁に行く。

◆宗蔵は三年ぶりにきえと再会する。大きな油問屋の伊勢屋に嫁ぎ、幸せに暮らしているとばかり思っていた「きえ」は青白くやつれていた。志乃(妹)の口から「きえ」が嫁ぎ先で酷い扱いを受けて寝込んでいることを聞かされる。伊勢屋を訪れた宗蔵は、陽のあたらない板の間に寝かされ、やつれ果てたきえを見ると、我を忘れ、自ら背負い家に連れ帰ってしまう。

「春光の下」

◆この後、物語は急転する。藩命で親友との死闘、自分を利用した裏切り者の家老の暗殺。この厳しい戦いの中で、二つの秘技が繰り出されるのだ。

◆急転する物語の終わりに春光の下で笑顔の2人。ラストである。全てを棄てて蝦夷に向かう宗蔵でいる。「きえ」に一緒に来て欲しいと素直な言葉で語る。幕末の純愛物語。この話も、たそがれ清兵衛、武士の一分と同じ、最後によかったと思える話だ。「きえ」(松たか子)がかわいらしい。特に笑顔と庄内弁。笑い誘うわざとらしく強調した庄内弁ではない。予告編でも流れる「身分がちがうもの」抑揚といい完璧だ。

海坂藩

◆さて、宗蔵が捨てた海坂藩。近代化の波は押し寄せ、英国式の教練が取り入れられ始めていた頃の話だ。実際、海坂藩のモデルと言われる庄内藩は、会津藩と共に戊辰戦争を戦って敗れている。

◆11月の庄内。寒風に干し柿である。今年は柿が不作だったそうで、例年よりも小ぶり。吊るした数も例年の半分とか。

三部作の最後は

◆妻を離縁したことを悔やむ盲目の剣士新之丞(木村拓哉)。そんなある日、料理を口にした新之丞はその味に記憶を揺さぶられる。呼びつけた飯炊き女(加世役の檀れい)に…「この味を忘れるわけがない」と告げ…。先日は「武士の一分」。盲目の剣士の「秘剣」と「夫婦の愛」の話だ

今日も深呼吸と合掌とオンニコニコと一筆付箋写経

深呼吸で「心のデトックス」。一度息を全て「大地に」吐き出します。次に胸を広げて鼻から息をたっぷり入れます。最後は「吐く息は細く長く」です。呼吸をコントロールし、呼吸に集中。自分の心にアプローチ。

「自分の根っこ」に感謝。ここに自分があること。お父様、お母様。あなたの隣にいる人とそのご縁。これから出会う新しいご縁。全てに合掌しましょう。

◆いつもニコニコ怒りません。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」は、自分もまわりも明るく・仲良く・イキイキと導くおまじない。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」といつでも清々しく保つための術「付箋写経」の輪橋山徒然話でした。

 

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