橋山徒然話 2023/11/24 致死量でも投与するのか !?
◆「雨は夜更け過ぎに、雪へと変わるだろう」そんな週末になりそうだ。
◆内藤 誼人さんの「世界最先端の研究が教える すごい心理学」に次のような話があった。
にわかには信じがたいが次のような話だ。
◆米国オハイオ州にあるシンシナティ大学のチャールズ・ホリング教授は、22名の看護師に、医師を名乗り電話をかけて次のような指示を出したそうだ。
◆「あーちょっとすまん。医師のハンフォードだが、患者のカールソンさんにアストロテンという薬の処方をお願いしたい。ア、ス、ト、ロ、テ、ン、20mm。4カプセル。いいかな。私は10分後にそちらに行くので、その時に薬の指示書にサインしよう。ただ、私が行く前にもう投与を始めておいてくれ。」
◆その看護師が薬を取りに行くと、薬の箱にアストロテン20mmというのは明らかに致死量であることと書かれていたという。ちなみにアストロテンという薬は、実際には存在しない。
◆しかも、医師は電話で指示をしたが、この手続きは病院の規則で禁じられていたし、看護師にとって、電話をかけてきたのは見知らぬ男の声だった。
◆さあ22名の看護師はどんな行動をとっただろうか。
◆その前に、もう一度情報を整理しよう。次の5点が問題となりそうだ。
・アストロテン20mm。4カプセルは致死量
・存在しない薬
・電話での指示は違反
・医師と名乗るが聞いたことのない声
・危険な薬を医師不在での投与
◆皆さまが同様の立場だったらとうだろう。「医師の到着を待ち、アストロテン20mm」についての問題点を医師に確認するだろう。
◆ところが、である。なんと「21名」の看護師が、実際に「アストロテン」を投与するために病室に向かったというのだ。(もちろん、投与する前に実験者によって止められたが)
◆さすがアメリカ人などと思ってはいけない。
◆浮かび上がる原因は次の2点にあると思う。
・看護師は医師の言うことなら素直に従ってしまうのか。
・医師の指示が間違いだったとしても看護師は確認しないのか。
◆さて、これは、次のように書き換えられはしないだろうか。
・部下は上司の言うことなら素直に従ってしまう。
・上司の指示が間違いだったとしても部下は確認しない。
◆どこかの国でよく報道されていることにも聞こえる。そもそも、米国の看護師のデータは我々と無縁ではないということではないか。
◆たとえば、上司k理不尽な要求や指示にも、何も考えずに「はい、わかりました」とただ従順に従った方が楽だと考えてはいないだろうか。あるいは、それを指摘して、蚊帳の外にされたことはないだろうか。
◆車検に出した車のタイヤに穴を開けることが平然とされてきた国である。どうも集団やグループ、外見からみて統率のある集団にはひょっとしたら「はい、わかりました」と受け流していく風土ができやすい国であるのかもしれない。
◆人間とは恐ろしいものであるという自覚を忘れてはならない。自分もその人間の一員なのである。
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