橋山徒然話 「縁」 2023/10/3
寂聴さん曰く、私達が生きて暮らしていけるのも、無数の「縁」のお計らいです
◆「お計らい」とはその「縁」導きのことである。だから、全て自分の力であるなどと自惚れてはいけない。
◆「縁」を教えてくれる歌がある。
なぜ めぐり逢うのかを 私たちは なにも知らない
いつ めぐり逢うのかを 私たちは いつも知らない
どこにいたの 生きてきたの 遠い空の下 ふたつの物語
縦の糸はあなた 横の糸はわたし
織りなす布はいつか誰かを
暖めうるかもしれない
縦の糸はあなた 横の糸はわたし
逢うべき糸に出逢えることを
人は「仕合わせ」と呼びます
◆中島みゆきさんの「糸」である。
◆機織りでは、縦の糸がピンと張られ、そこに横の糸を織り込んでいく。カタンカタンと縦の糸と横の糸が織りなす模様が出来上がる。中島みゆきさんは「糸」で縦をあなたの物語との出逢い、横を自分の物語に見立てている。
◆縦の糸、横の糸の関係は「縁起・縁滅」と考えることもできる。
◆「縁起」とは、この世に存在する一切のものは、条件が整えば生じること。「縁滅」とは条件によって消滅することをいう。
◆例えばあなたまでの命の営みのなかで、一つでも条件が満たされなければ「あなた」はいないのである。
◆「あれがなければ、やはり、あれはなく、これがあるから これが生まれる」のである。
想像して欲しい。母にも母がいて、その母にも母がいる。父にも父がいて、その父にも父がいる。家人の母も父も同様である。それを思うと、紡いできたものは無視できるはずがない。それが「有難い」この命なのだ。これを無数の「縁」のお計らいというのだ。
◆奇跡のような「いのち」とともに「願い」も託されてきているはずだと私は思っている。それは、デジャブなどでではなく、脳のどこかに、例えば潜在意識のようなものの中にあるのだ。
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