人生の後悔を示し、そうにならないようにするには、今から何をすればよいかということを教えている。

ネグレクトいのち
Lonely toddler child standing in front of a window looking outside

輪橋山徒然話 2024-3-19. 「後悔しない人生 」

◆学校教育では、「キャリア教育」という分野が重視され、例えば何年生の総合的な学習で何をどう学んで、どんな力をつけることができたかを書き溜めていく「キャリアパスポート」なるものの作成が、各学校に義務づけられた。そのファイルを小学校から、なんと中学3年まで持ちあがっていくとのこと。そのパスポートは、親とも共有していくのだと退職前に聞いた。私は、「小学校3年生を中学卒業まで引きずっていくのだろうか」などと不届きなことを思った。

◆学校での「キャリア教育」は、なりたい自分になるために、職業の選択を含めた進路指導である。

◆しかし、「キャリア教育」は学校だけではないようだ。退職後の第二の人生も含めた「ライフキャリア」なるものもあるそうだ。自分の人生を不幸にするのも、幸せにするのも自分次第。自分の人生に責任と見通しを持たせる、そんな目的なのだろうか。

◆さて、その「ライフキャリア」の教科書にふさわしい本がある。

◆作者は、ブロニー・ウェア(Bronnie Ware)オーストラリア生まれ。緩和ケアの介護を長年つとめ、数多くの患者を看取った経験を基にして書いた「看護婦が聞いた死ぬ前に語られた後悔トップ5」である。この本は人生のゴールの後悔を示し、そうにならないようにするには、今から何をすればよいかということを教えている。

◆ブロニー・ウェアの問いは次のものだ。

「もし今日が人生最後の日だったら、あなたは後悔を口にしますか?それはどのようなものですか?」

◆ブロニー・ウェアは、人は「死」を前にすると自分の人生を振り返り、本音で話し始めるそうだ。死を迎える患者の後悔は次の5つだとしている。

1.「 他人に望まれるように」ではなく、「自分に忠実に(自分らしく)」に生きればよかった。

2. あんなに一生懸命働かなくても良かった。

3. 自分の気持ちを表現する勇気を持てばよかった

4. 友人関係を続けていれば良かった。

5. もっと自分の幸せを追求し、自分を幸せにしてあげればよかった。

◆「死」を迎えるにあたっての激しい、全て失敗だったという嘆きというよりも、後から死に直面する今を生きている我々への温かいメッセージのようでもある。今を生きる私たちに、他人の人生を生きることではなく、ただただ、自分らしく選択し、自分の人生を生きればよいのだと背中を押している。

◆つまり、第一の後悔、少しでも自分に忠実に、自分らしく生きたと思えることが、満足いく人生なのだ。そして、それを妨げているのが2〜5だ。

◆2〜5は人生のバランスだ。バランスが崩れたとき人生に後悔が生まれるのだ。その原因は、「執着心・偏る」ことにある。

◉働き過ぎない
◉自分の気持ちを抑え過ぎない
◉人間関係を整理し過ぎない
◉我慢し過ぎない

◆人生の教科書は、今からでも「偏らない人生を心がけよ」、さすれば軽やかな晩年を迎えられるぞと後から行く我々へのエールなのだ。

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