古賀紗理那選手がパリ五輪で引退する。躍進している女子バレーボールのキャプテンである。

白鷺泣きそうそう
White heron at the lake close-up. Beautiful white wild bird. Animals in wildlife.

橋山徒然話 2024-7-11   受け身の美学と女子バレー

◆古賀紗理那選手がパリ五輪で引退するというニュースが流れていた。躍進している女子バレーボールのキャプテンである。

◆体格に随分と劣る我が国の選手が、一丸となって外国人の強烈なスパイクを拾って、拾って、拾いまくり、最後の最後にエース古賀選手にボールを上げて…。

◆回転レシーブというのだろうか。拾って、拾いまくる姿、あれは柔道の「受け身」だ。

◆相田みつをさんに「受け身」という詩がある。

◆この詩は柔道の基本である「受け身」の哲学を通じて、人間としての生き方、そして失敗との向き合い方について深く考えさせる。

◆柔道における受け身とは、投げ飛ばされること、人前で叩きつけられること、そして負けることを練習することだ。失敗や挫折、そして恥をかくことは、誰もが避けたいと思うものだ。しかし、相田みつをさんはこれらの経験こそが、人間を成長させる重要な要素であると説く。

◆詩の一部を引用する。

「柔道の基本は受身 受身とは投げ飛ばされる練習 人の前で叩きつけられる練習 人の前でころぶ練習 人の前で負ける練習です。」

◆柔道では、カッコよく勝つことよりも、素直に倒れること、潔く負けることを教える。これは、人生においても同じだ。長い人生の中では、華々しい成功よりも、ぶざまな失敗や恥ずかしい経験の方がはるかに多いのだ。だからこそ、最初に負け方を学び、本腰を入れて負けることを経験することが大切だという。

◆詩の中で強調されているのは、失敗してもすぐに立ち直る力、負けても再び立ち上がる力である。これが受け身の極意であり、この極意を身につけた者こそが達人と呼ばれるのだ。

◆負けることを恥じるな。負けたときには素直に負け、口惜しいときには正直に叫べ。弁解する必要はない。泣きたいときには思いきり泣き、すぐに立ち直れば良い。

◆早くから勝つことを覚えるのではなく、負けることを学び、恥をかくことに慣れること。そして、下積みや下働きの苦しみを経験することが大切だ。これらの体験が身につき、本物の強さを養うのだ。

◆本物の負け方や受け身を身につけた人間こそが、他人の胸の痛みを理解し、優しく温かい心を持つことができるのだ。そんな人間を作者は観音さま、仏さまと呼んでいた。

◆古賀紗理那選手は、リオ五輪では最終選考でメンバーから外され、東京では初戦に怪我をして泣いたという。今、その笑顔を支えているのは、相田みつをさんのいう負け方や受け身を肥やしにした人間性だと思う。いや、古賀選手だけではない。だからこそ、このチームは、自己犠牲も厭わず、誰が相手でもコートに立てば六人如が何にして連動するか追求し、「千手観音」の如くプレーできるのだ。

◆日本バレーに栄光あれと祈らずにはいられない。

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以下 原文

受け身  相田みつを

柔道の基本は受身

受身とは投げ飛ばされる練習 人の前で叩きつけられる練習

人の前でころぶ練習 人の前で負ける練習です。

つまり、人の前で失敗をしたり 恥をさらす練習です。

自分のカッコの悪さを多くの人の前で ぶざまにさらけ出す練習

それが受身です。

柔道の基本では カッコよく勝つことを教えない

素直にころぶことを教える いさぎよく負けることを教える

長い人生には

カッコよく勝つことよりも ぶざまに負けたり

だらしなく恥をさらすことのほうが はるかに多いからです。

だから柔道では 始めに負け方を教える

しかも、本腰を入れて 負けることを教える

その代り

ころんでもすぐ起き上がる 負けてもすぐ立ち直る

それが受身の極意 極意が身につけば達人だ

若者よ

失敗を気にするな

負けるときにはさらりと負けるがいい

口惜しいときには「こんちくしょう!!」と、正直に叫ぶがいい

弁解なんか一切するな 泣きたいときには

思いきり泣くがいい

やせ我慢などすることはない

その代り

スカッーと泣いて ケロリと止めるんだ

早くから勝つことを覚えるな

負けることをうんと学べ 恥をさらすことにうまくなれ

そして下積みや下働きの 苦しみをたっぷり体験することだ

体験したものは身につく

身についたもの それはほんものだ

若者よ

頭と体のやわらかいうちに 受身をうんと習っておけ

受身さえ身につけておけば

何回失敗しても すぐ立ち直ることができるから・・・

そして

負け方や受身の ほんとうに身についた人間が

世の中の悲しみや苦しみに耐えて

ひと(他人)の胸の痛みを 心の底から理解できる

やさしい暖かい人間になれるんです。

そういう悲しみに耐えた 暖かいこころの人間のことを

観音さま、仏さま、と 呼ぶんです。

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