でも、ママがいないことで、私よりもっと傷ついていたのは、 たーくんとヨーコだった。

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輪橋山 泣きそうそう 2024-9-25. 「たーくん、行くよ♪」

◆ママがいなくなって、もう十年が経つね。

◆あの日々が、まるで昨日のことのように、今でも鮮明に思い出される。
ママがいなくなって最初の一年、私はどうして良いか分からず、
ただ時間だけが過ぎていった。
ママのいない家は寒く、寂しさが家中を包んでいた。

◆でも、ママがいないことで、私よりもっと傷ついていたのは、
たーくんとヨーコだった。

◆そんなとき、たーくんの幼稚園で運動会。
そこで「ママとおどろう」というプログラムがあってね。
それは園児と母親が手をつないで踊るマスゲームだったんだ。

◆こんなときも「ママか」と少し恨みたい気持ちになった。
僕はたーくんがどうするのかドキドキして見ていた。

◆その時、まさかのことが起こったんだ、ママ。

「たーくん、行くよ♪」

明るい声と共に、姉のヨーコがたーくんの小さな手を取って、
二人で一緒に、グランドの中央にかけていったんだよ。

二人は楽しそうに笑いながら、輪の中へ、手をつないで混じっていく。
その瞬間、私の心は張り裂けそうだった。
改めてママがいないことを実感し、そして、ヨーコがママの代わりに
なっていることに気が付いたんだ。

◆君のお母さんがそっと言った。

「あなたが出張中、たーくんはよく泣いていたの。
でもお姉ちゃんがね、
「お姉ちゃんがいるよ」

「たーくんも男の子だから泣かないよね?
お姉ちゃんが、ママになるから大丈夫だよ」

◆お母さんの言葉を聞きながら、涙が溢れて止まらなかった。

ヨーコは、君の代わりにたーくんの母親になろうとしてた。
二人は、ママがいない分までお互いを支え合って生きていたのだ。

◆この世を去ったあの日から、君も随分と心残りだったろう。

◆でもね、君が残してくれた僕と君との二人の子は、まっすぐ、強く、立派に育っているよ。

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参考 ラリクマ https://lacrima.jp/family/saikou_no_mama/2027/4/16 のお話を参考にしました。

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