今日の術(すべ)は合掌とその心
「ナマス・テー」
◆インドの「こんにちは」は、「ナマス・テー」と声をかけ、合掌し礼拝するそうだ。この「ナマス」は「南無阿弥陀仏(なもあみだぶつ)」の「南無」に相当し、お辞儀することも意味している。「テー」は「あなたに」の意味だ。「ナマス・テー」は、お釈迦さま以前からあるという。合掌礼拝の始まりなのだろう。
「ナムナム」
◆やっと歩いた、よちよち歩きの赤ん坊が「ナムナム」と手をあわせて、膝をちょこんと折る仕草はなんとも可愛らしい。
◆久しぶりに、コロナ禍で外出がかなわなかったおばあさま、家族・親族に支えられ、車椅子で本堂に上がり、本尊様に手を合わせる姿は神々しかった。月命日では、連れ合いのお墓参りするお姿。お地蔵様の石仏が手を合わせているお姿。
◆合掌礼拝の姿は、どこから見ても、いつ見ても、どれもが、美しく、尊く、健気でかつ慎ましい。
◆それは、私たちが仏さまやご先祖さまの前で 静かに合掌礼拝する時、そこには深く仏さまを敬う心が現れているからだ。生かされている自分、今の自分に思いを巡らして、感謝の気持ちを表す姿があるからだ。また、至らない自分を省みての反省もあろう。また明日へり誓いの姿もあろう。
今日も深呼吸と合掌とオンニコニコで
◆深呼吸で「心のデトックス」。一度息を全て「大地に」吐き出します。次に胸を広げて鼻から息をたっぷり入れます。最後は「吐く息は細く長く」です。呼吸をコントロールし、呼吸に集中。自分の心にアプローチ。
◆「自分の根っこ」に感謝。ここに自分があること。お父様、お母様。あなたの隣にいる人とそのご縁。これから出会う新しいご縁。全てに合掌しましょう。
◆いつもニコニコ怒りません。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」は、自分もまわりも明るく・仲良く・イキイキと導くおまじない。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」。
正身端坐の姿を保つ
◆忘れてはならないのは、合掌礼拝することが、単なる習慣としてではなく、自分の身を調え、心を調えると言う気持ちでなければならないということである。正身端坐の姿と心を持つ(たもつ)ということである。道元禅師は、正法眼蔵随聞記において仏像・経教・僧体を仰信・帰教すべしとし、「内心に信心をもって敬礼すれば必ず顕福を蒙(こうむ)るなり」とお説きになっている通りである。
◆正身端坐の姿と心で合掌礼拝することは、「坐禅三昧が私たちの日常の生活の中で形を変えた姿」でもあるのだ。
あなたの仏心、仏性を拝むことでもある。
◆そしてもう一つ。さきほどの「ナマス・テー」。この世に命をいただいているものは、皆、仏の心を持っている。「あなたに手を合わせる」という挨拶は、かけがえのないお互いの仏心、仏性を拝みあうということなのである。
◆互いの合掌こそ相手を受け入れ、自分を受け入れてもらう術なのだ。
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