セロトニンと心の病気から考える「三毒を戒める術」としての坐禅のすすめ

湖ブログ

うつに備える

うつ病に備えるには「泣くこと」と「セロトニン」と「坐禅」?

◆COVID‑19は、コロナウィルスが原因だが、「心の病」についてもその原因が「ただの気のせい」などではなく、科学的に解明されてきている。

◆たとえば、「うつ病のリスク」に備えるには泣くことがいいそうだ。それは、こんな理由からだ。

東邦大学医療センター大森病院 臨床検査部免疫検査室 田中 詩帆先生は、身体の中の「マンガン」に着目して説明している。この「マンガン」という化学物質が一定量を超えて溜まると「うつ病のリスク」が上がるそうだ。そして、我々の涙には、この「マンガン」が多量に含まれている。つまり、「心が熱くなるような映画」を鑑賞して涙を流す。「誰かに恋して」そして失恋し涙を流す。その涙と一緒に溜まった「マンガン」を、体の外に出すことで、「うつ病のリスク」を軽減できるという。そして、この涙を流す時には、交感神経から副交感神経に切り替わり、脳内で今日の主役である「セロトニン」も増加する。

鍵になるのは「C₁₀H₁₂N₂O」の化学式を持つ「セロトニン」

◆「C₁₀H₁₂N₂O」の化学式を持つ「セロトニン」。必須アミノ酸トリプトファンから生合成される脳内の神経伝達物質のひとつだ。この「セロトニン」は、脳内の「アクセル」と「ブレーキ」の加減を調整する働きを持つことは広く知られている通りだ。

◆やる気などに反応する物質「ドーパミン」は、いわば車の「アクセル」だ。しかし、これが過剰に分泌され続けるとどうなるだろうか。車は暴走する。結果、依存症や過食症につながることにもなる。

◆また、一方のストレスに反応する危機管理物質の「ノルアドレナリン」は、反対の働きで「ブレーキ」だ。しかし、この「ブレーキ」は、強いストレスが続いたりして効きすぎると、パニック障害やうつなどの症状を引き起こす原因となるのだ。

◆これらを適度に調整し、コントロールする役割を持つのが「セロトニン」だ。

セロトニン不足の報告

◆しかし、この大切「セロトニン」は、過度なコンピューターの使用、テレビやゲームなどによる夜更しや運動不足により、低下し不足することが報告されている。

◆「セロトニン」の不足は、先ほどの「依存症や過食症」「パニック障害やうつ」に加え、「寝起きが悪くなる」「些細なことで痛みを感じやすくなる」「背中が丸まったり、どんよりとした表情」身体的な症状にも現れる。「背中が丸まったり、どんよりとした表情」など長く引きこもりしている方々の症状だ。

セロトニンの活性化と坐禅

◆セロトニン研究の第一人者である有田秀穂先生(東邦大学医学部教授)は、このセロトニンの分泌を促して活性を高める原動力が、光を浴びる、ダンスやジョギングなどのリズム運動とともに、腹式呼吸運動にあることを突き止めた。そして、この腹式呼吸運動こそ、まさに「坐禅」そのものなのだ。

◆ここで重要なのは呼吸法である。この呼吸法の基本は、全てが坐禅である。ゆっくり息を吐ききり、ゆっくり吸う。丹田に集中して、腹式呼吸を繰り返すのである。深くゆったりと呼吸を繰り返すことでセロトニンが活性化するのである。改まって坐る時間はとれなくても、椅子にすわり、背筋を伸ばし、ゆっくり、深く、腹式呼吸を繰り返すとよい。椅子座禅曹洞宗

◆一つ加えるならば「目は開けること」。眠ってはいけない。要注意だ。

「あなたがあなたであるためのアイテム」に加えてはどうか。

コメント