西有禅師のは明るい方向に向けてくれる真言陀羅尼を教えた
「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」とは
◆西有 穆山(にしあり ぼくざん)禅師のお話である。禅師は約200年前、1821年のお生まれだ。
◆ある男が禅師さまに次のように尋ねた。
「禅師さま、私は毎日、毎日仕事が忙しくて、坐禅したり、仏教の勉強をしたりする暇がありません。何か簡単なお経があれば教えて下さい。」
すると禅師さまは、
「そうか、それはあるな。お前さんは毎朝起きたら顔を洗いなさるだろう。洗面後、仏壇に一本の線香をお供えするくらい時間は持ち合わせだろうな。」
「ハイ、それくらいは何でもありません。私にもできます。」
「そうか、そうしたら短いご真言陀羅尼だが、まあ二十一遍くらいやれるかな。忙しいときはせいぜい七遍でもよいが、これには大功徳があるのじゃ」
「それくらい何でもありません。そんなにありがたいものなら早く教えてください」
◆その時に禅師がさらさらと書かれたのが「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」である。しかし、禅師に揶揄われていると思って男の顔色がかわった。すると、男に禅師はこう言った。
「これは、見たところ、きわめてやさししいがいざ実行となるとな、至極困難じゃ。それお前さん、わしが書いてあげたら、むきになって、開き直って眼の色血相をかえておいでだったが、それそれだ、ハラタテヌことは難しいことなのだよ」と。
「オンニコニコ」和顔愛語
◆禅師さは、そして、「瞋恚は、火の如く、もろもろの善功徳を焼き尽くす」とお説きになった。「瞋恚」とは「しんに」と読み、三毒・十悪の一。自分の心に逆らうものを怒り、恨むことである。その「瞋恚」を戒め、同時に心を明るくする真言が「オンニコニコ」なのであると。
◆男は、毎朝大真面目に、「オンニコニコ」と唱えたと言う。やがて、この「オンニコニコ」は家族に、店員に広がり、明るい心、明るい面が広まっていったという。日日の仕事が希望の明るい仕事となっていったのだ。人の世は住みにくいが、心の持ち方で明るくも暗くもなる。同じ心から仏菩薩にもなるし、悪鬼羅刹ともなる。「オンニコニコ」は明るい方向に向けてくれる真言陀羅尼なのだ。
◆つまり「オンニコニコ」は「和顔愛語」の実践なのだ。和顔愛語とは、にこやかな笑顔と優しい言葉で人に接することだ。付け加えるなら、内面から醸し出されるのが「和顔」である。鏡をみて表情をつくる練習をしてもダメなのである。実は、私も「男に習い」21遍繰り返してみた。確かに心が明るく、軽くなった気がした。さっそく、「オンニコニコ」を付箋にメモして、机に貼った。機会があるごとに、皆さまに伝えたいと思った。 和顔愛語の動画
ねがい
◆皆さまも共に西有禅師の「オン ニコニコハラタテマイゾヤ ソワカ」のおまじないで皆さまも周りも明るくしようではないか。
◆今朝も最後まで読んでいただいてありがとうございます。あなたの朝のこころにアプローチ。「ああなあさここ」でした。
▶︎深呼吸で「心のデトックス」。一度息を全て「大地に」吐き出します。次に胸を広げて鼻から息をたっぷり入れます。最後は「吐く息は細く長く」です。呼吸をコントロールし、呼吸に集中。自分の心にアプローチ。
▶︎「自分の根っこ」に感謝。ここに自分があること。お父様、お母様。あなたの隣にいる人とそのご縁。これから出会う新しいご縁。全てに合掌しましょう
補足
□三毒とは、仏教において克服すべきものとされる最も根本的な三つの煩悩、すなわち貪・瞋・癡(とん・じん・ち)のことであり、我々の苦しみの原因となっているもの。
□「真言陀羅尼」とは、仏教において用いられる呪文の一種で、比較的長いものをいう。
□「和顔」はやわらかな顔、「愛語」はやさしい言葉。つまり、文字通り、笑顔で愛情のこもった言葉で話すこと
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