知能に対して感情が幼いままの「大人の幼児化」が生み出した社会問題

ジョーカードラマに学ぶ
ジョーカー

コロナ禍における学び落としと「大人の幼児化」

◆教育における学び落としの弊害は、20年30年のスパンで現れるという。 精神と知能のアンバランスといえば「アルジャーノンに花束を」のチャーリーとゴッサム・シティのジョーカーが思い浮かぶ。

 

「アルジャーノンに花束を」で考える

◆久しぶりに「アルジャーノンに花束を」(ダニエル・キイス 米国)を手にした。「アルジャーノンに花束を」は1959年に中編小説として発表され世に知られた。1966年に長編小説として改作されたのだから、60年ほども前の小説である。度々日本のテレビドラマでもとり上げられているが、まったく古さを感じない    「アルジャーノンに花束を」舞台化

天才ネズミとIQ60台青年チャーリィ

◆さて、アルジャーノンは「ハツカネズミ」である。ただのハツカネズミではない。脳手術により、「驚くべき記憶力」と「思考力」を手に入れた天才ネズミなのだ。

◆このアルジャーノンのように「頭がよくなるなら」と知的障害(32歳だが、知能は6歳児並み)のIQ60台青年チャーリィは、自らが進んで臨床試験の被験者第1号となる。そして、チャーリイの脳手術は「アルジャーノン」のように成功し、IQ60台からIQ 185という大天才となるのだ。

◆IQ 185チャーリィは大学で学生に混じって勉強することを許され、知識を得る喜び・難しい問題を考える知的好奇心を満たしていく。

◆しかし、チャーリィは、かつての仕事場では、(これまで友達だと信じていた仲間に)「実はだまされ、いじめられていたこと」、「知的障害が原因で母親に捨てられたこと」などの知りたくない情報も理解できるようになる。

◆物語は「知能に反して、精神・感情は幼いままのチャーリィのアンバランス」と「アルジャーノンの死」と話が展開していく。面白い本であるのでこの後は是非読んで欲しい。

「社会的問題」の根っこにあるもの

◆「アルジャーノンに花束を」、発表されてから60年にもなるが、「大人の幼児化」つまり、「知能に反して、精神・感情は幼いまま」のアンバランスさが、毎日報道される様々な「社会的問題」の根っこにあるような気がしてならない。

◆全て「幼児性」が原因となるわけではないのだが、この特殊なコロナ禍後において、「精神・感情の幼さ」は、新たな我々の課題として、今後10年20年のスパンでより顕著になっていくような気がする。

◆「社会的問題」とは、様々なところで垣間見られる。最近報道される犯罪は巧妙で残忍。弱いものが狙らわれる。北の国の争いもミサイル開発競争も無縁ではないだろう。

◆「会社」では「パワー・ハラスメント」「過労死問題」。「家庭」でも「ドメスティック・バイオレンス」「モラル・ハラスメント」「幼児虐待問題の増加」。「学校」でも、「いじめ」「不登校問題」などなど。その他、「ギャンブル依存症者」「アルコール依存症」などの依存症問題など「心の病」が「社会的問題」となっている。

社会の共通感覚の喪失

◆人生相談のパーソナリティの加藤諦三さんは、それでもまだ現在の「心の病」は、「家庭」「学校」「会社」の中に留まっている状態だという。しかし、今後「大人の幼児化」が加速し、「心理崩壊」につながれば、やがては「社会の共通感覚の喪失」が起きてしまうかもしれないと警告している。

◆「社会の共通感覚の喪失」とは何であろうか。

◆「社会の共通感覚」とはともに幸せに生きていくための社会を保っているルールだ。もっとも基本的なこと。基盤のようなものだろう。人間の良心であり、人間の人間たる所以である。

◆もしも、この「社会の共通感覚の喪失」に至れば、「なんで人を殺していけないんですか?」という犯罪や「てめえ等ぶたや牛を殺して食ってるじゃねーかよ」というふてくされた言葉や態度が社会全体に蔓延することになると加藤諦三さんは警告しているのだ。

◆まさにバットマンのいない、ゴッサム・シティの誕生だ。

◆人の気持ちがわからない。思いやれない大人。つまり幼児化だ。その原因はもちろん「学ぶべきところで学んでいない」こと。これを学び落としという。つまり、5歳児で学ばなければならないことが抜け落ちている。学んでいないことなのだ。

学び落とし、学び直し

◆子どもにとって、大人以上にこの急激な社会の変化は大変なことだろう。だから、「学び落とし」という観点で点検し、見直さねばならないと思う。例えばコロナ禍で学び落としているものは学力だけなのか、「マスク教育」と見切り発進の「タブレット教育」では議論もなしに切り捨てたものはないのかということだ。

◆なぜなら、教育の基本は、5歳児で学ばなければならないことを学んでいないと、6年生でも、大人でも5歳児まで戻って学び直すことが基本になる。そして、どのような場合にあっても、「社会の共通感覚」のようなもの、人間の人間たる所以は普遍のものであらねばならないのだ。それを失えば、いずれ日本もjokerのゴッサム・シティになってしまう。

今日も深呼吸と合掌とオンニコニコで

◆深呼吸で「心のデトックス」。一度息を全て「大地に」吐き出します。次に胸を広げて鼻から息をたっぷり入れます。最後は「吐く息は細く長く」です。呼吸をコントロールし、呼吸に集中。自分の心にアプローチ。

◆「自分の根っこ」に感謝。ここに自分があること。お父様、お母様。あなたの隣にいる人とそのご縁。これから出会う新しいご縁。全てに合掌しましょう。

◆いつもニコニコ怒りません。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」は、自分もまわりも明るく・仲良く・イキイキと導くおまじない。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」。

 

 

 

コメント